来年アニメがスタートする『かぐや様は告らせたい』の最新コミックス第11巻を買ってきたので簡単にレビューを。
11巻では今後の進路なんかも出てきて、お話しが進みます。
赤坂アカ(著)『かぐや様は告らせたい』 第11巻
待望のTVアニメ化が2019年1月からスタートする『かぐや様は告らせたい』。公式サイトもオープンしており、放送が楽しみです。
スピンオフや小説も発売されたりと絶好調です。コミックスも270万部突破しているそうですが、アニメ化でさらに売れそうです。
第11巻には第102~111話までを収録。表紙はハーサカちゃん。清純派ビッチという設定らしいです。
カバー裏は特に意味の無い藤原書記。
以前のコミックスレビューについては、以下を参考にしてください。

石上の挑戦
応援団の一件以来、先輩である子安つばめが好きになってしまった石上。
かぐやにそれがバレてからかわれてしまいますが、どうせ告白しても失敗するだけと諦めている石上を見て、逆にかぐやのほうに火がつきます。
失敗を怖がって告白できない石上の姿が、白銀に告白できない現在の自分に重なっている部分もあるでしょうが、後輩である石上を大事に思っているのもあるでしょう。
とにかく告白の方法を考える石上とかぐやですが、石上の告白プラン“毎日花を机の上に置いていき、その頭文字をつなげると告白の文章になる”というアイディアを聞いて、キモすぎてドン引きしてしまうかぐや。石上のキャラらしい方法ですが、確かに成功する確率はゼロでしょうね。
とりあえずかぐやの助言は、奇をてらわず王道でいくこと。
次の期末試験で順位が張り出される50位以内をとることで、つばめも石上を見直してくれるだろうということです。
とはいえ前回テスト順位が177位の石上が50位以内を目指すのは容易ではありません。かぐやから寝る間も惜しんで特訓を受けることになります。
また、石上自身もつばめを振り向かせたいというよりも、期待して応援してくれるかぐやの想いに答えたいという気持ちのほうが強いようで、必死になって勉強に打ち込んでいきます。
そして試験当日、これまでの試験とは違い、本気で勉強して本気で試験に挑む石上。しかし、結果は151位。かぐやの力添えがあったとはいえ、これまでの怠けの代償はそれ以上に大きかったようです。
試験の結果を受けてかぐやの前では強がっていた石上でしたが、やはり相当に悔しかった模様。そんな石上の強がりを、かぐやはあっさりと見抜いており、その上で彼に本当の気持ちを吐き出させます。
その言葉を満足げに聞き、これからも石上に力を貸すというかぐや。石上にかまっていたために自分の勉強時間も削られているだろうに、それでもなお、この言葉が出てくるとは器が大きいですね。
恋愛絡みとなると最近ポンコツ具合が加速しているかぐやですが、このお話しでは久々にカッコいいかぐや様が見れた気がします。
ラップの練習
前回、ひょんなことからハーサカ(早坂)の本音の一端を聞いた白銀。弱さや醜さは演技で隠さねば人から愛してもらえないという彼女に、そんなことは無いと言いたい白銀が選んだ手段は、なんとラップでした。
白銀がラップとは意外でしたが、フリースタイルのラップはアドリブに対応する瞬発力や発想力がものを言う、極めて頭脳的なスポーツとのこと。
しかし、極度の音痴である彼に、まともなラップができるハズがありません。逆に言うとその弱さを克服してラップを上達すれば、早坂にも伝わる何かがあるのでは、ということです。
その心意気が相談した藤原書記の琴線に触れたらしく、彼女にしては珍しく積極的に白銀を手伝おうとします。
が、試しに聞いた白銀のラップの結果は以下。
案の定聞くに絶えず、泡を吹いて倒れてしまい、さっきの意気込みはどこへやら、白銀を罵倒し始めます。まぁ、いつもの光景ですね。
ついでにラップに関してはズブの素人である藤原書記は、なぜか会話の流れで白銀からラップを教わることに・・・。いつの間にか教える側と教わる側が逆転してしまっております。
それでもピアニストとして人並み以上の感性を持つ藤原書記は、白銀の特訓の甲斐あって見事ラップを修得します。
普段はボケた感じの藤原書記ですが、やっぱり地は優秀なんでしょうね。
そして、これで終わりかと思いきや話しは最初へ戻り、やっぱり白銀の面倒をみることに。
この特訓の模様は第10巻に一コマだけ登場していましたが、なんにせよ早坂に気持ちを伝えるため二人の戦いが続きます。
いつか本物になるためのステップ
藤原書記との特訓のおかげで、とりあえず人並みにはラップができるようになった白銀。さっそく早坂を呼び出しますが、そこには話しを一緒に聞いていたかぐやもいたりします。
おまけに藤原書記は早坂が男だと思っているため、白銀が男の早坂に愛の告白をしようとしていると勘違いしていたりして、始まる前からすでにめちゃくちゃな状況に・・・
それでもかまわずラップをスタートする白銀。自分も演じているが、それはいつかなる理想の自分の姿であると本音を語ります。
努力家の白銀らしい、いいセリフですね。
そして、早坂にも本音を語れと迫る白銀。乱入してきたかぐやの挑発もあって、ついに早坂の本音が語られます。
前々から学校生活や恋愛を謳歌しているかぐやがうらやましいと語っていた早坂でしたが、ようやくかぐや本人にそれを伝えられました。四宮家に仕えながらも、年頃の女の子らしく青春も送りたいと本音を吐露します。
これが効いたからなのかは不明ですが、今度早坂のサポートが一人増えることになった模様。これで今後は早坂自身の友達や恋愛が描かれたりするんでしょうか。作中では一番好きなキャラですので、ぜひとも活躍してもらいたいです。
別離のカウントダウン
さて、今回2年生の面々は進路相談があって、白銀やかぐや達の進路が判明しました。
あわせて1年の石上やミコの進路希望もありましたが、ミコはやはり法曹関係でした。わけがわからないのは石上で、ニートか社長とのこと。実質何も決まっていないのと同じです。
わけがわからないといえば藤原書記。なりたいものを聞かれ、総理大臣と答えます。冗談らしいですが、彼女が言うとそうは聞こえないのが怖いところですね。
一方、四条眞妃は金融業界、柏木渚は良い大学を出たいので内部進学希望など色々出てきましたが、早坂はなんと転職希望。どこまで本気かわかりませんが、いまさらかぐやと離れることなんてできるんでしょうか?
そして、肝心のかぐやは親の言われた通りの進路として、とりあえず内部進学希望となりました。そういえば彼女が将来何をしたいのかはこれまで語られたことはありませんけど、もし家の方針に反するようなものだった場合、それを実現することは並大抵ではないでしょうね。
そして白銀はというと、なんと海外留学。しかも、それはすでに決定事項のようです。
白銀が海外に行くというのであれば、当然かぐやとは離ればなれでしょうから、二人に残された時間はもうあまりないことになります。
もちろん白銀も百も承知ですから、このあと行われる文化祭の最終日までにかぐやから告白されなければ自分から告白する決意をします。
なんとなくクライマックスが近い雰囲気が出てきましたが、ここで11巻は終わります。
オマケ
今回、早坂愛の新しい設定・男装バージョンが登場しましたが、現時点での早坂バリエーションの紹介がありました。まだまだ増えるんでしょうか。
感想
白銀が海外に留学するつもりだとは意外でしたが、かぐやに告白する決意をしていたのはもっと意外でした。一応、マンガ的には相手から告白させるのがテーマだったハズですが、最近はそういった描写も少なかったですから普通のラブコメマンガとしてこんな展開になったんでしょうか。
でも普通のラブコメとしてみると、告白する決心はしているが、その上で相手からの告白を待つというのに説得力があまりないようで、個人的には何かチグハグな展開に感じてしまいます。
とはいえ白銀とかぐやの別れまでのタイミングが決定したことで、がぜんストーリーに緊迫感が出てきました。告白が成功して白銀とかぐやが付き合うことになっても、かぐやが海外に行く可能性は低いですし、これらのハードルをどうやって越えていくのか楽しみです。
かぐやとのことは白銀の父や、今は不明の母親が何か活躍してくれそうな気もします。特に母親は意外に金持ちになっていて、かぐやの両親とつながりがあったりしたら面白そうです。
第12巻はアニメ化直前となる12月19日に発売予定です。