アニメも無事?に放送終了した『異世界おじさん』の最新コミックス第9巻が発売されたので感想を。
殆ど死んでいる(著)『異世界おじさん』第9巻
2022年夏アニメが2023年3月に完結するという、ちょっと聞いたことが無いような展開で幕を閉じたアニメ版『異世界おじさん』。それでも好評だったのか、原作コミックスは330万部を突破したそうです。著者の作品はコードギアスの同人作品の頃から知ってますけど、その当時からは考えられないくらい大ヒットですね。
それはともかく9巻では第44話~47話までと、番外編・特別編(メガドライブミニ2)・おまけという収録内容。表紙は二週目ということでおじさん型エルフでした。こうなると10巻は藤宮さんかな?男性陣は期待できなさそう。
引用元:殆ど死んでいる(著)『異世界おじさん』第9巻 2023年3月 株式会社KADOKAWA発行より
Youtubeではコミックス9巻のTVCMも公開中。本編では出番のないメイベルが宣伝してたりします。
新たなるヒロイン?登場
とあるダンジョンを攻略中のおじさんとツンデレエルフ。ただでさえ魔法が減衰する特殊な空間なのにこれまでとはレベルの違う強敵が襲い掛かってくるので、いくら強者の二人でも攻略は難航しそう。と思ったら、敵は隠し扉を抜けてスルーするのが正解というオチでした、というのが前回まで。
今回はダンジョンで知り合った二人の新キャラが登場します。最初は鎧に身を包んだ回復魔法が使える【聖騎士】オートム。ワルぶったりクールを装っていますけど実はいい人、というキャラ。
そして、もう一人が本作で4人目のヒロインとなるのか、大人しそうな目隠れキャラなのに体を龍変化させられる【龍変化術師】シャリオン。外見は異様ですが、これまでの3ヒロインの中では性格だけアリシア寄りでしょうか。
引用元:殆ど死んでいる(著)『異世界おじさん』第9巻 2023年3月 株式会社KADOKAWA発行より
ちなみにエルフは【魔導具使いの剣士】になるそうですが、おじさんは「ラブ・ペンギン」という新しい偽名を名乗ってました。調べると元ネタは「エイリアンソルジャー」の没ボスキャラのよう。なぜそんなに偽名を使いたがるんだろうか?おじさんの事だから、セガの布教の一環かと邪推してしまう。
ツンデレさんに休まる時は無い
一通りの自己紹介が済んだところでダンジョンを進む一行ですが、難度が高いハズのダンジョン内でもラブコメっぷりは変わりません。特にツンデレさんは、おじさんがシャリオンとちょっと仲良く話しているとすぐに察知して引きはがそうとしてきます(余裕なさすぎ)。
その手段が結構エグくて、二人におじさんのことをボロクソに吹聴します。やれ「強制婚姻行為」だの、男女の見境がない異常豚(「いじょうしゃ」と読むらしい)だのメチャクチャ。一応、ツンデレさんなりの信念があるみたいですけどキレイごと言ってる感が凄くて、まさに手段を選んでられないという必死の姿勢が伺えます。せっかくメイベルを宿に置き去りにして二人っきりの冒険なのに、女の子キャラが出るだけでこの余裕の無さは残念エルフの面目躍如ですね。
引用元:殆ど死んでいる(著)『異世界おじさん』第9巻 2023年3月 株式会社KADOKAWA発行より
その後はエルフがお尻ペンペンされたり脱がされそうになってりしてますが、そんなことやっている間に最下層の地下10階に到着します。
闇落ちエルフの誕生(ツンデレ無し)
最下層に到着すると剣が刺さったガイコツがあり、近づこうとすると周りから無数のガイコツ兵が出現。歴戦の冒険者であるエルフとおじさんとの連携攻撃で一気にケリをつけるところまでは良かったんですが、剣を手にしたエルフの様子がおかしくなっています。どうもエルフは剣の意思?に身体を乗っ取られてしまった様子。
引用元:殆ど死んでいる(著)『異世界おじさん』第9巻 2023年3月 株式会社KADOKAWA発行より
自ら語るところによると喋っているのは【屍の王】マガツコトノヌシといい、剣は【王神剣】という神に授かった神器とのこと。このダンジョンの異様に高い難易度はこのマガツコトノヌシが強い冒険者の身体を選別・乗っ取るためのものだったようです。
もともと身体能力が高かったエルフですけど、この王神剣の力でさらにパワーアップ。エルフが敵に回る展開は面白そうだと思っていたのですが、ここで実現してくれるとは・・・。おじさんとのガチバトルに期待、と思ったらおじさんも(主に顔の)様子がおかしくなってます。
引用元:殆ど死んでいる(著)『異世界おじさん』第9巻 2023年3月 株式会社KADOKAWA発行より
オートムとシャリオンの二人がやられているのに、こんな表情のまま固まっているおじさんには何とも違和感しかなくて正直ちょっとガッカリ展開でしたね。この謎の表情の正体は次巻までお預けらしいです。
【~バハマル】はたくさんある?
今回マガツコトノヌシは自身を転移者と名乗っており、【王神剣】はその転移時に神に授かった「永遠に王として君臨する力」が顕現したものだと話しています。
引用元:殆ど死んでいる(著)『異世界おじさん』第9巻 2023年3月 株式会社KADOKAWA発行より
これまでの転移者はすでに亡くなっているケースばかりでしたから、生きている(といっていいのか不明ですが)転移者と会うのは初めてですね。元の世界へ戻る方法が開示されるのか期待です。
それとマガツコトノヌシの口から新たに【ヤマトバハマル】という単語が出てきました。これまで本作では【グランバハマル】が異世界、おじさんやメイベル(の祖先)が住んでいた日本が【ニホンバハマル】だったのですが、今回の【ヤマトバハマル】というのがどこを指すのか。日本の別名という可能性もありますが、なんにせよ世界観が広がってきて新たな展開を予感させますね。
おまけマンガ
今回のおまけマンガは、本編で出番の無かったメイベルの旅館でのやり取りを描いた番外編。
引用元:殆ど死んでいる(著)『異世界おじさん』第9巻 2023年3月 株式会社KADOKAWA発行より
たかふみが鬼畜クズ男(風)になって、エルフに変身したおじさんを使って再生数を上げまくる特別編(本当はエイリアンソルジャーの話し)。
引用元:殆ど死んでいる(著)『異世界おじさん』第9巻 2023年3月 株式会社KADOKAWA発行より
そして、メイベルがエルフとおじさんから感謝と尊敬を受けるおまけマンガの3本でした。
引用元:殆ど死んでいる(著)『異世界おじさん』第9巻 2023年3月 株式会社KADOKAWA発行より
本編もいいですけど、幕間にあたる巻末おまけも結構好きなので、3本立ては嬉しかったりします。相変わらず作者のセガ愛が強くてエイリアンソルジャーの話しは引きますけど、大なり小なり昔のゲームあるあるが読めて楽しいですね。
まとめ
今回はいつも以上に現代組の出番が少なかったですね。でもその少ない出番の中でたかふみは現実を「バットで陰鬱」と思っていて、創作作品でもそれをわからせようとする作家先生は「絶対に許せない」ということが判明。あと、NTRもダメらしい。と、こんな情報いるんかな?敢えてたかふみに語らせることで、次巻へのネタ振りをしているようでしたね。
それはそれとして、身体を乗っ取られたエルフは可愛くも残酷で、これまで観たことが無い表情が多かったのでこの点は凄く良かったです。
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