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『幼女戦記』第27巻 感想 アカ共の巣を蹂躙するため、第二〇三航空魔導大隊行動開始!!!

幼女戦記コミック27巻表紙

『幼女戦記』最新コミックス第27巻が発売したので簡単に感想を。この27巻から本格的にアニメ劇場版で描かれたルーシー連邦編へと突入します。

目次

3(著)『幼女戦記』第27巻

27巻では第84話~86話までを収録。たった3話ですがページ数はいつもと同じくらいあります。表紙は笑顔のターニャが珍しい第二〇三航空魔導大隊の面々。

毎回笑える帯ですが、今回は怪獣映画風。ロリヤが人類代表面しているようで草w

幼女戦記 第27巻のコミックス帯
引用元:カルロ・ゼン、東條チカ(著)『幼女戦記』第27巻 2023年3月 KADOKAWA発行より

【吟遊詩人】撃墜の余波

前回、帝国軍で最強といわれたエース・オブ・エース【吟遊詩人】ゲオルグ・フォン・ザクセン魔導大佐がメアリー・スーに撃墜された一報は、西方・南方を含め帝国軍の全線へと伝わります。
その衝撃は大きく、各地に散っている帝国軍のエース級航空魔導師や将官が本国へ帰還せよと言われるほど。戦時中の士気低下がどれほど恐れられているかがわかりますね。

各地の帝国軍の様子が描かれますが、気になったのはライン戦線で活躍していたショーンズ少尉の素顔が初めて?出てきたこと(こいつの口はどうなっているのか)。
それから南方戦役で登場したエース・オブ・エース【光の剣】デボラ・フォン・エーデルライヒ魔導中佐が、どうやら皇族らしいということ。高貴な身分の彼女がどういった経緯で航空魔導師をやって戦場なぞにいるのか、とっても気になります(政治的な駆け引きでしょうか?)。このシーンを描いたということは、今後も彼女に何らかの役割があるということでしょうから期待です。

そして我らが【白銀】ターニャ・フォン・デグレチャフ魔導少佐は、現在ルーシー連邦へ浸透作戦中。ザクセンの撃墜にはやはり驚きますが、この報告を聞いて帝国軍の士気低下を危ぶみフランソワを取り逃がした苦い経験を思い出すターニャは、これから始まるルーシーの首都モスコーへの襲撃作戦をザクセンの死が霞むほどに、より徹底的に・鮮烈に・確実に実行しようと決意するのでした。
哀れなルーシーの、最初の悲劇がこうして決定したのでした。

同志ロリヤがいよいよ本領発揮

ルーシー連邦といえば『幼女戦記』で忘れたくても忘れられないあのキャラが出てきます。そう、ルーシー連邦の内務人民委員部長官にして、最悪の変態・ロリヤです(ちなみに初登場自体はけっこう前)。

ルーシー連邦の内務人民委員部長官・ロリヤ
引用元:カルロ・ゼン、東條チカ(著)『幼女戦記』第27巻 2023年3月 KADOKAWA発行より

ロリヤといえば元ネタはソビエトの政治家、ラヴレンチー・ベリヤ。組織内で徹底的に粛清を行い恐れられましたが、それ以上に女性に対して数々の非道を行ったまさに最悪のクズロリコン野郎で、あの悪名高い「ベリヤのフラワーゲーム」のベリヤです。ロリコンのベリヤでロリヤとは最高にピッタリなネーミングですね。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%AA%E3%83%A4

そんな最悪の人物が元ネタというだけあって27巻でも登場開始直後から不穏なセリフを吐きまくってますが、視察という名目の獲物探しをしていたところ、いきなりターニャたち第二〇三航空魔導大隊がモスコーに現れて破壊の限りを尽くします。モスコーの重要施設を徹底的に破壊していく描写は、読んでいて本当にスカッとしますね。ちなみにロリヤは残念ながら生き残りますが、そのときターニャを見て一目ぼれ。あまりの感激にモザイクしか入らない迷演説を約6ページにわたって披露します。

ロリヤの大演説
引用元:カルロ・ゼン、東條チカ(著)『幼女戦記』第27巻 2023年3月 KADOKAWA発行より

ちなみに背景のモザイク下は作者の東條チカ先生によるとしっかりと描かれているそうです。モザイクを外したバージョンをぜひとも

しかし、自国を今まさに攻撃している相手に対してこんな大演説をぶつとは、同志ロリヤの少女への底知れぬ・屈折した愛を感じますね。

そしてこの笑顔。興奮が最高潮すぎてキモい。ぜったい守りたくない。

過去イチいい笑顔のロリヤ
引用元:カルロ・ゼン、東條チカ(著)『幼女戦記』第27巻 2023年3月 KADOKAWA発行より

背教者は神の声を聴く

ここでルーシー連邦を率いるジュガシヴィリ書記長の成り立ちが描かれます。地味で目立たない臆病な男でしたが、人事権を掌握し政敵の元へ自分の身内を送り込んで静かに権力を掌握していき、国家のトップへと上り詰めたのでした。そんなジュガシヴィリにあの存在X(の仲間・配下)の声が聞こえるようになり、臆病なジュガシヴィリは存在Xたちにそそのかされて帝国との戦争への道を選んだのでした。これも世界大戦を引き起こしたい存在Xたちの謀略でしょう。

引用元:カルロ・ゼン、東條チカ(著)『幼女戦記』第27巻 2023年3月 KADOKAWA発行より

ここでジュガシヴィリを背教者呼ばわりしながらも彼に奇跡の一つが与えられるわけですが、これまでターニャやメアリーといった航空魔導師といった軍人に与えられてきた奇跡が政治家、それも国のトップに与えられるのは存在Xたちが明確に世界大戦を望んでいるという証左ですね。

それにしてもこの天使みたいな存在はなぜに人々を満たさないのかという問いに「人は満足すると信心を失う」と答えますが、これが彼ら存在Xの本性をよく表していますね。決して人々を救うためではなく行動のすべてが信仰のためであり、そのためなら人々を争わせたり飢えさせたりするという。本末転倒というかマッチポンプというか、とにかく人類のための存在ではないことは確かですね。やっぱり存在Xたちはろくでもない存在だというのが今回でハッキリしてきました。今後もいろいろ介入してくるのでしょうか。

ついでにルーシーの上層部の人たちはロリヤもジュガシヴィリもコミカルな描かれ方してますけど、これまで登場した各国のリーダーが重厚な絵柄だったのとは対照的で、何か意図があるのかなと思ったりします。というか、ルーシーは自国の航空魔導師をすべて排斥していながら、その穴埋めに同盟でもないアルビオン他に援助を求めるとはえらく滑稽というかなんというか・・・

ヴィーシャの活躍

第二〇三を中隊へと分け、モスコー各地を爆撃していくターニャたち。自国の航空魔導師たちをすべて粛清していたルーシーに成す術はありません。が、そこへアルビオン連合王国が中心の多国籍義勇軍が因縁の【白銀】を潰そうと襲い掛かってきます。

ここでヴィーシャが【白銀】に間違われてアルビオンのドレイク中佐に目をつけられたのは中々面白い展開。アニメではもっと後で会敵するはずでしたが、モスコー襲撃でいきなりとは見せてくれます。ヴィーシャが中隊とはいえ指揮を取りながら格上のドレイクと渡り合って奮戦したり、ターニャとの約束を口にするシーンはカッコいいです。

ヴィーシャの決意
引用元:カルロ・ゼン、東條チカ(著)『幼女戦記』第27巻 2023年3月 KADOKAWA発行より

それから戦闘中にもかかわらず、何気に可愛いポーズ取っていたりと読者を楽しませてくれます。

かわいいポーズのヴィーシャ
引用元:カルロ・ゼン、東條チカ(著)『幼女戦記』第27巻 2023年3月 KADOKAWA発行より

そんなヴィーシャですが、ドレイクは相手にするにはさすがに分が悪く押し負けてしまいます。ここでドレイクの勘違いも解けたところでターニャが満を持して登場。ドレイクの背中に怒りの一撃をブチかましてヴィーシャを救出してくれました。実は95式の力を使い切っていたわけですが、そんなことはおくびにも出さずヴィーシャの敵を粉砕したターニャの活躍には幼女の皮をかぶったオッサンということをついつい忘れてしまうくらいシビれました。ターニャとヴィーシャのイチャイチャっぷりも限度を超えつつありますけど、もしもヴィーシャがターニャの中の人をみたらどんな反応をするのかちょっと見てみたい気もします。

まとめ

27巻では前回の帝国ナンバー1のエース【吟遊詩人】が堕とされた影響がわかりやすく描写されており、圧倒的な強さを見せていた帝国軍の躍進に陰りが見え始めたのがうまい演出だなと思いました。

そして、その影響を払拭しようとルーシーへのハラスメントに力を入れるターニャの電撃作戦。もし、九五式が万全だったなら、あるいはルーシーを壊滅させられたかもしれませんね。それでもドレイク一族とターニャの関係が因縁めいてきましたから、そこに付いてくるメアリーとも相対するでしょうし、これは劇場版とはどのくらい違った展開を見せてくれるのか楽しみです。

あと、毎話でてくる扉絵は重厚なものが多いのですが、86話は何ともかわいらしいというかヴィーシャのターニャへの心酔っぷりが出ていてよかったです。このアニマル調のイラストも好きなので、こういうのでキャラクターグッズ(ぬいぐるみとか)出してくれると部屋に飾りたくなります。

アニマル風の扉絵。ヴィーシャのターニャへの心酔っぷり
引用元:カルロ・ゼン、東條チカ(著)『幼女戦記』第27巻 2023年3月 KADOKAWA発行より

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